【挫折した方がいいんですよね。常に上り続けるだけではなくて】

大野 祐司(おおの ゆうじ)さんにインタビュー【2019.2.6】

 中学・高校と陸上競技(400m、400 mハードル)を行う。日本体育大学卒業後、NPO法人のスポーツクラブへ勤務し、小学校にて体育授業をサポート。現在は横浜市の関内にあるスタジオ(BLUE BRICK STUDIO)でランニングやヨガを中心としたイベントの運営、幼児・小学生向けのレッスンを行っている。




【大野さんが今の仕事をしていこうと思ったきっかけはありますか?】

 子どもが好きっていうのが一番ですね。それと、中学校の陸上部顧問の先生に出会ったことで今の自分が居るんですよ。



【大きな影響を与えてくださった先生なんですね。】

 はい。崇拝してますね(笑)。

 学生からも、保護者からも信頼されている先生でした。その先生から叱られて憎んだことは一度もないんですよね。それは芯が通っていて、言っていることが一貫しているからかなあと思います。褒める時は褒めて、駄目な時は駄目だときちんと叱ることの出来る先生でした。どんなことにも真面目に取り組んでくれるんですよね。怖かったですけどね。(笑)

 高校へ進学してからも陸上部に入部したんですが、そこでの指導スタイルに納得がいかず、高校2年の5月で部活を辞めてしまいました。その時、中学時代の顧問の先生に相談に行ったことで指導者としての道を開いていただきました。高校生の頃から母校の中学校で活動しているNPO法人のスポーツクラブで働き始めたんです。

 下手をすると違う方向に向かってしまったかもしれない時、身近に信頼できる先生が居てくれて、僕に居場所を作ってくれたことに感謝しています。部活を辞めたからこそ、部活仲間ではない仲間にも出会えましたしね。

 先生のおっしゃった言葉で印象的だったのが「家族を大切にしなさい」というものですね。大会の結果云々ではなく、大会の日、朝早くからお弁当を作ってくれたことに感謝しなさい。まずは、挨拶、感謝を伝えるようにと教えてくれました。今の子たちは、ありがとうが言えない子も多いなあと感じているんです。これを子どもたちに伝えたいなっていう思いがありますね。



【大野さんは、すごくコミュニケーションを大切にされていますよね。】

 人見知りなんですが、人と話すのは好きなんですよね。

 話しかけてもらいたい方なのに、最近は、髭を生やしているので、第一印象が悪いかなと心配してます(笑)。



【何か心境の変化があったんですか?】

 ここのスタジオのオーナーの影響ですね。オーナーは学生時代からトライアスロンをされていて、今はご自身で建築・不動産会社を経営されている方なんです。フリーランスで仕事を始めた時には、何か印象に残ることを心掛けてきたということを聞いて、髭を伸ばし始めました。20代後半くらいで髭を伸ばしていると、目立ちますし、髭のやついたな、と顔を覚えてくれたりするんですよね。



【なるほど。確かに印象に残りますね。】

 ありがとうございます。



【子どもさんのレッスンを行う上で大切にしていることは何ですか?】

 一番は、子どもと同じ目線で話しをすることですね。子どもとのコミュニケーションを大切にしています。

 大きなクラブだと、技術を教えること、伝えることがメインになってしまいがちなんですが、僕は、レッスンに来てくれた子とはひとりひとりコミュニケーションをとるように心がけています。

 あとは言葉づかいを大切にしていますね。叱るときは怒鳴るのではなく、冷静に怒るようにしています。冷たい感じで「はい。さようなら。もう帰っていいですよ。みんなに迷惑かかってるからね」と冷静に突き放す方が伝わるんですよ。怒鳴り散らすと、怒られていない子たちも萎縮してしまいますからね。

 それと、保護者の方へは活動風景、練習メニューを送るようにしています。子どもたちがどんなことをしていたかを知ることで、親子の会話も増えると思うんですよね。クラブの規模が小さいから出来ることなんですけどね。子どもたちには、将来のためにもコミュニケーション能力を高めてもらいたいな思っているんです。



【人間力を育てる指導をされていらっしゃるんですね。すごく人との関係をよく考えてらっしゃいますね。】

 町中で人のことを凝視してしまったり、昔から無意識に人間観察してしまうんですよね(笑)。人間に興味があるんですかね。



【この仕事をしていく上でのモチベーションは何かありますか?】

 神奈川県は子どもたちの体力テストが毎年、全国で40番代なんですよ。自分だけの力では微々たるものなんですが、底上げしたいんですよね。

 そのためには、親御さんにもスポーツの楽しさを伝えて、親子が楽しくスポーツをしながらコミュニケーションしていくことを広げていきたいんです。これが僕のビジョンですね。



【スポーツをしながら楽しくコミュニケーションしていくことを大切にされているんですね。】

 そうですね。第一のターニングポイントは中学時代の部活の顧問に出会えたことで、第二のターニングポイントは、ここのオーナーに出会えたことですね。


挫折した方がいいんですよね。常に上り続けるだけではなくて


 オーナーからも、常に右肩上がりということはないので、下がってしまうこともあるが、一喜一憂するなと言われますね。コツコツ努力して日々の積み重ねを大切にして、落ちないようにしていくようにと教えてもらえてます。結果は後からついてくるんだと言ってくれるんです。



【将来はどんな風でありたいですか?】

 ずっと現場には居たいですね。

 今後、子どもたちが増えてレッスンをする人を雇うことがあっても、子どものレッスンに関しては、自分の体が動く限り自分が行いたい気持ちがあります。10年後の40歳くらいの時には、レッスンを任せられる、信頼できる後輩ができていたら理想ですね。

 今まで、先輩方が与えてくれた思いを伝えられるような人でありたいですね。





スタジオでは、ゲストを呼んでのトークナイトなど様々な企画もしているそうです。ちなみに、こちらは仕事でスーツを着ていない方たちでスーツナイトという親睦会をした時の写真だそうです。

インタビュアー : マリコ

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