梶原美和子(かじはら みわこ)さんにインタビュー【2018.3.23】
大学を卒業後、宝飾関係の会社で企画・販売職を経験
その後、約20年コールセンター等ではたらき、スーパーバイザーとしてスタッフの育成にも携わる。現在は人材派遣会社(株式会社エヌエフエー)にて人事・労務を担当
☆新卒で就職活動する時はどうやって仕事を探されたんですか?
→バブル時代の最後の頃で、自宅に山のように就職情報誌が送られてきて、それをパラパラと見ていましたね。はたらくなら、女性しかいない職場がいいなと思っていました。
学生時代は、女子クラス、女子大で過ごしてきたので男性と話すことが苦手だったんです。
腰掛けで働こうくらいに思っていたんですが、ある会社の資料を見た時に、女性が役職に就いていたりして、やりがいがありそう、面白そうな会社だなと思いました。深く考えていなかったんですね。
母親が結婚式場で衣装管理の仕事をしていたんですが、働く母親を見て育ったので、私は結婚したら絶対働かないと思っていました。
私の年代は、大学を卒業してから3年くらい働いて、結婚して、子どもができて専業主婦っていう方が多くて、それを思い描いていましたね。
☆ 腰掛けで働くと言いながら、活躍できる場所を選んでいらっしゃったんですね。
→そうですね。宝飾関係の企画の仕事で、4年半勤めました。
ここで学んだマナーの基礎は、今の私のベースとなっています。身だしなみ、化粧の仕方、電話の応対、お茶のいれ方、お見送りの仕方、掃除など上司に厳しく言われました。
☆話は変わりますが、学生時代に部活動は何かしていましたか?
→小中高とずっとバレーボールをしていました。
子どもの頃は背が高いのがコンプレックスでした。小学生の時は、先生にバレーボールを勧められていたんですが、これ以上背が高くなるのは嫌で断っていました。でも、6年生になって友だちがバレーボールを始めたのがきっかけで、一緒に始めました。運動神経はそんなに良いほうではないのですが、背が高いのでレギュラーになれたりして、やっているうちに楽しくなっていきましたね。
☆ そんなに自分ではやりたいものではないのに、辞めなかったんですね。
→途中で辞めるということが、なんとなく嫌なんですよ。ただ、それだけですね。(笑)
☆話は戻りますが、初職を辞めた後はどうされたんですか?
→26歳で結婚してから、テレマーケティングの会社で働き出したんです。
その職場では、お客様対応で評価され、スタッフ100名の中でトップの2人に選ばれました。嬉しかったですね。
その後、外資系保険会社のコールセンターで働きました。この会社は、とても厳しい教育でしたが、ここで電話の応対の仕方を徹底的に学びましたね。指導者に恵まれました。それから、29歳でスーパーバイザーのアシスタントになりました。
それまでは、自分のスキルを上げることだけを考えてきましたが、指導者となってからは、いかにセンターのスタッフのレベルを上げていくかを考えるようになりました。教えた人たちが、より高いレベルになっていくことがやりがいでしたね。日本一応対の良いコールセンターにするという目標を持って働いてきました。
☆指導者になってやりがいも出てきたんですね。
→そうですね。ただ、プライベートでは30歳で離婚をしたので、兵庫の実家に帰り、大阪で転職しました。企業の契約センターの運営に携わりながら、指導者として仕事をしました。
それから、35歳で何故か思い立って東京に戻りました。東京でも同じ系列の会社の契約センターで働きました。42歳で再婚し、仕事をしながら妊活をしました。ここでは派遣社員でしたが、会社が融通をきかせてくれたので長く働くことができました。周りには迷惑をかけたとは思います。結局、子どもはできなかったので、その会社は辞めて正社員で働ける会社を探そうと思いました。
☆ その後、キャリアコンサルタントを目指されていますよね。
→10年近く勤めた前職を辞めた時に、ハローワークの窓口の方に、相談業務をしてみたら? と勧められたんです。そう言われて、自分に合うかもしれないなと思って、講座を受講しました。心理学を勉強したこともなかったし、カウンセラーとしての話しの聞き方にも最初は慣れなかったですね。自分には向いていないのかなとも考えました。
☆ それでも続けたのですね。
→そうですね。勉強をしていく中で、自分に足りないものに気づきました。
これまでの仕事はそれなりに出来てきたけれど、キャリアコンサルタントの試験には何度か落ちてしまいました。落ちた時のショックは大きかったですが、やっぱり【人の役に立ちたいな】という気持ちがあったので、試験を受け続けて、今年の1月に試験に合格しました。
☆ すごいですね。現在の会社は正社員として3年になるんですよね。どんな仕事をされているんですか?
→採用担当、スタッフ管理、給料の計算など管理業務が中心です。
☆ やりがいを感じていることは何ですか?
→成長過程にある会社なのですが、会社と共に自分も成長して、将来は社員の育成をしていきたいです。社員が働きやすい環境を作れるように日々考えながらはたらいています。
仕事にブランクのある女性が、社会復帰してはたらき出す際に、前向きにはたらけるようにサポートしていきたいですね。日本では、まだまだ、女性が活躍していないと感じるので、もっと女性が活躍できる場を増やしていきたいです。私ひとりの力では無理ですが、働きやすい環境を作りだすということでは何か出来るかもしれないと思っています。
初職で、自分の強みを活かしなさいと教育され、女性だからといって甘やかされなかったのは良かったなと思います。お客様がどうやったら気持ち良くなるかを考えなさいと教えられました。
その時の社長に、サービスとは何だ、と聞かれ、私は、【相手が喜ぶことを自分のものとできること】と答えたんですね。
そういった一貫した指導があったからこそ、女性だからお茶をいれなければならない、という考えにはなりませんでしたね。
☆ すごくいい経験をされてきたんですね。男性だから、女性だからではなく、人として魅力的になることを教えられたのですね。
→そうですね。
インタビュアー : マリコ
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