人生は苦しんじゃいけない!

藤浦 義純(ふじうら よしずみ)さんにインタビュー【2019.11.22】
専修大学法学部卒業後、日本製紙クレシア株式会社入社。営業職として40年勤務




【当時はどのような就職活動をされたんですか?】

僕らの時は10月1日が就活解禁でしたね。就職情報誌を見て、前年の自分の大学出身者などの入社実績を調べておいて、10月1日からの会社説明会の予約を入れるんです。

昭和48年、僕が高校生の時にオイルショックがあって、その後は不景気だった。ティシュやトイレットペーパーを作っている会社だから潰れないだろうなってこの会社を選びました。1980年入社です。

余談ですが、製紙工程は、水に紙の繊維を溶かしたものをザルの上に流し込んで繊維だけ残すんです。そして、その繊維を乾かすのにドライヤーと呼ばれるドラム状の大きいアイロンを使います。ドラムが一周する間に乾かさなきゃいけないのですごい熱が必要になって、そのためのボイラーに石油が使われていますが、今は、バイオマスなど様々な燃料が使われていたりします。

就活に話は戻りますが、実は、第一志望の大手海運会社は落ちました。身の程知らずでしたね(笑)。国公立7大学(旧帝国大学)、それに早慶上智、東京外国語大学あたりは面接の受付に大学名が書いてあるんだけれど、それ以外は‘その他’になっていました。就職活動で初めて階級を感じましたよ。


【藤浦さんはどちらかというと安定志向?】

そうかもしれないね。寄らば大樹の陰!


【藤浦さんが安定を求める理由は何かあったんですか?】

当時は怠けものだから楽して生きていきたかった(笑)。
僕が入社した時、創業間もない時だったんだけど、しばらくして労働組合が作られて残業も無かったし、良い会社に入ったなって思いました。入社10年目の時、上司から有給休暇を全部使い切るように言われて使い切ったこともあったりして。


【営業はやりたかった?】

やりたくなかった。ノルマとかあるし。サラリーマンになれれば良かったくらいにしか思っていなかったかな。親もサラリーマンだから、何も疑問に思わなかった。

学生時代に社会人の先輩に紹介されて塾の事務のバイトをしていた時、営業の代わりに集金に行く業務をしたりして、人と接するのはできるなって思ってはいましたけどね。


【学生時代、部活は何かされていたんですか?】

中学高校とサッカー部です。実はこれまで話してきたことの背景として、中学高校のころのことが大きいですね。プロがあったらプロサッカー選手になりたかったほど好きだった。でも当時、サッカーはプロが無かった。


【なるほど。この学生時代に情熱を注いでいたことがあったんですね。】

そうです。単純にサッカーが好きだったんですよね。高校はサッカーの強い高校へ行きたかった。強いところへ行って、サッカーでどこまで自分を極められるかやってみたかった。

だけど、進学の時に父親に相談したら反対をされたんですよね。「何で行きたいんだ?」と聞かれて、「サッカーがやりたいんだ」と言ったら「バカ野郎。サッカーでご飯食べられるのか」って言われて「確かに食べられないな」と思った。

中学は市内の大会で優勝したけれど、高校では県大会ベスト8までしかいけなかった。その時、上には上がいるなって感じたこともあったし、自分の身長があまり伸びないのもあったしで限界を感じたのが高校2年生の時ですね。ピークは中学3年、高校1年の時で、スポーツ少年団っていう地域のチームを4つ掛け持ちするくらい気持ちが熱かった。


【サッカーが好きっていう熱い思いが伝わってきました。その後、サッカーに代わって情熱を注げるものはありましたか?】

無いかもね。
大学浪人時代に、客観的に自分を見つめることができました。俺って単なるサッカー小僧なんだ、なんもねえなって思ったんですよ。勉強もしてなかったから大学生にもなっていない、ってね。サッカーしかできない自分が居たんですよ。その時、そういう自分と違う自分がほしいなって思いました。


【これまでを振り返ってみて、一番充実していたなって時はありますか?】

30歳〜32歳くらいの頃かな。
仕事の仕方が分かってきて結果が出てきた頃で、売上も達成できるようになって仕事への自信が持てるようになった時期でした。営業の場合は仕事が認められると、ある程度自由も得られるんです。ウィンドサーフィンも始めたりして、プライベートも充実していました。

当時の上司や先輩はあんまり好きになれない人たちだったし、嫌なこともあったんだけどね。

僕は
「苦労は買ってまでしちゃいけない」(笑)
って思っているんだよね。


【いいですね。座右の銘ですね。(笑)】

苦しみじゃない、楽しみだってね。
僕は今、若い人に「人生を楽しめ」って言ってるんだよね。楽しむには、結局、仕事をちゃんとしないと楽しめないでしょ。僕の場合は、こんな仕事をしたいってあんまり思ってなかったし、結果的に偶然与えられた仕事を今やっているだけだけど、与えられた仕事は完璧にこなしたいって思いはあるよね。


【サッカーに例えると、どうプレーしいくかですね。】

そうそう。振り返れば、無我夢中になって生きてきちゃったかな。でも、常にね、何か楽しいことを考えているんだよね。自分の会いたい人と会って、好きなことをやって。無理しちゃいけないね。


【今、藤浦さんはハッピーですか?】

ハッピーだね。この歳になると自分が死ぬ時を考えるのね。振り返る時に、まあ良かったなって思いたいじゃない?
それって、楽しかったかどうかなのね。これまでの人生で失恋もしてるし、辛い思いもたくさんしているんだよ。

人間の脳ってすごいよね。嫌なことって忘れるんだよ。でね、残っているのって良いことばっかりなんだよね。大学浪人の時なんてすごく辛かったはずなのに、今となっては楽しいことばっかり思い出すんだよね。ひどい失敗も時間が経てば忘れられる。人間はちゃんと楽しくなれるようにできているんだよ。

会社にいて嫌な上司の顔を見ているんだったら外へ出て、得意先に行こうって頻繁に顔を出していたら、得意先の人たちと親しくなって実績も上がってきたりしてね。仕事をしながらも自分の居心地の良さを求めていたかもしれないね。


【藤浦さんはご自身の感覚を大切に生きていらっしゃいますね。】

僕は、自分の気持を追い詰めないようにしているのかもね。


【それって学生時代にのめりこんだサッカーがあったから、自分の中で好き嫌いっていうのがはっきりするんですかね。】

そうかもしれない。僕の中で原点だからね。やりたいことはとことんやってみたらいいと思うよ。なんでも。
インタビュアー:マリコ

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